エアコンプレッサーとは?
目次
1.エアコンプレッサーとは?
どのような機械?
大工さんの必需品である「エアコンプレッサー」、どのような工具かご存知でしょうか?
エアコン(エアコンディショナー)と関係があるの?と想像されるかもしれませんが、まったく違う機械です。
「エアコンプレッサー air compressor」、直訳すると「空気圧縮機」です。空気を圧縮し、高い圧力で吐出することで、様々な機械の動力源となります。
大工さんが使う釘打機の動力源もエアコンプレッサーです。
2.エアコンプレッサーでできること
エアコンプレッサーの主な用途は以下になります。
- ①建築現場での釘を打つ作業
- ②エアダスターで埃やゴミを飛ばす清掃作業
- ③タイヤやゴムボートなどの空気入れ
- ④インパクトレンチでの車のタイヤ交換
- ⑤スプレーガンでの塗装作業
3.空気を圧縮すると何が起こるの?
なぜ動力源になるの?
空気を圧縮するとなぜ動力源になるのでしょうか?空気に力を加えて体積を小さくする(圧縮)と、収縮した空気に元に戻ろうとする力が働きます。
タンクに圧縮した空気を貯めておき、この圧縮した空気をホースで釘打機の本体に運び、一気に開放することで、人力では出せない大きなエネルギーが発生します。
このエネルギーで釘を連続して打つことが可能になります。
ちなみに圧縮空気は列車の自動開閉ドアや、自転車の空気入れなど私たちの生活のあらゆるところで使われています。
4.エアコンプレッサーの仕組み
エアコンプレッサーの仕組みは、浮き輪やゴムボートをふくらませる「足踏みポンプ」と、基本的に同じです。
「圧縮」「吐出」「吸入」の3つの仕組みに分かれています。
(1)足踏みポンプの仕組み
- 【圧縮】
-
- ①足でポンプを踏む
- ②吸入弁は閉じる
- ③ポンプ内の空気の容積が減少し、圧力が高まる
- 【吐出】
-
- ①一定圧力まで達する
- ②ポンプの内部圧力により吐出弁が開く
- ③空気が吐出する
- 【吸入】
-
- ①足を外す。ポンプが元の状態へ復帰動作を始める
- ②吐出弁が閉じる
- ③ポンプの内部圧力が下降し、
大気圧(空気の重さによる圧力)の方が、圧力が高くなる - ④大気圧の圧力に耐えられなくなり、吸入弁が開き、
ポンプ内へ空気が流入する
(2)エアコンプレッサーの仕組み
- 【圧縮】
-
- ①モーターでピストンが上昇する
- ②シリンダー内部の空気の容積が減少し、圧力が高まる
- ③吸入弁、吐出弁はともに閉じている
- 【吐出】
-
- ①ピストンが上死点(最高点)に達する時、シリンダー内部の空気圧力により吐出弁が開放する
- ②圧縮空気が吐出するる
- 【吸入】
-
- ①ピストンが下降する
- ②吐出弁が閉じる
- ③シリンダー内部圧力が下降する
- ④吸入弁が開き、空気を吸入する
◆動画はこちら↓
(3)マックスの2段圧縮エアコンプレッサーは、効率的
1段だけで高い圧力の圧縮を行うと、圧縮時の空気の温度が高くなりすぎて、吐出効率が悪くなるため、2段圧縮を行っています。
2つのシリンダーを使用して空気を、まず一次側のシリンダーとピストンで1段圧縮します。
一次側で圧縮された空気は二次側のシリンダーとピストンでさらに圧縮され「高圧エア」となって、タンクへ蓄えられ、高圧エアツールの動力源になります。
なお一次側は圧縮負荷が小さく、圧縮空気をたくさんつくることができる為、大径でロングストロークなシリンダーを使用しています。二次側は圧縮負荷が高いので、小径でショートストロークなシリンダーを使用しています。
5.エアコンプレッサーの構造
機種選定方法
(1)エアコンプレッサーの種類を選択する
マックスのエアコンプレッサーは、以下のタイプになります。
- ①空気の圧縮形態は「往復(レシプロ)式」
- ②駆動源は「電動機(モーター)」
- ③潤滑方法は「オイルレス式」
①空気の圧縮形態は「往復(レシプロ)式」
モーターで、シリンダー内のピストンが往復運動することにより空気を圧縮します。
②マックスのエアコンプレッサーの駆動源はすべて「電動機(モーター)」
レシプロ式コンプレッサー | 駆動源 | 潤滑方法 | 潤滑油(コンプレッサーオイル) |
---|---|---|---|
エンジンコンプレッサー | エンジン[ガソリン] | オイル式 | あり |
オイルレス式 | なし | ||
電動コンプレッサー | 電動機(モーター)[電気] | オイル式 | あり |
オイルレス式 | なし |
③潤滑方法は「オイルレス式」
タイプ | 構造 |
---|---|
給油(オイル式・湿式) | 給油圧縮機内部(ピストン部)にオイルを回す機構を備える。 |
無給油(オイルレス式・乾式) |
圧縮機内部(ピストン部)にオイルを使用しない。 (オイルを使用するための構造が不要となる) 樹脂部品(ピストンリング、リップリング)を使用している。 |
各タイプのメリットとデメリット
タイプ | メリット | デメリット | 主な使用場所 |
---|---|---|---|
給油 (オイル式・湿式) |
|
|
工場 |
無給油 (オイルレス式・乾式) |
|
|
建築現場 |
現場に持ち運びするようなエアコンプレッサーなら、オイルレス式をおすすめします。
マックスもオイル式エアコンプレッサーを40年ほど前に販売していましたが、特に軽作業用のエアコンプレッサーでは、オイルトラブルが多く発生していました。
(オイル切れに気付かない、傾いた状態で保管、使用してオイルが回らない、油にゴミが混じる、違う油を足す等)
その為、メンテナンスが簡単(≒無い)なオイルレス形は、建築用途では一気に普及した経緯が有ります。
オイル式のメリットは当然有りますが、正しく保守することの難しさが最大のネックだと思います。
- ・発生音
- 低騒音モーター、低振動圧縮機、フローティング構造、ベクトル制御など
- ・耐久性
- 特殊材料、特殊コーディング、AIモード、温度監視 ⁄ 制御など
(2)圧力の設定方法について
エアコンプレッサー 空気圧の単位
エアコンプレッサーや釘打機で使用する空気圧(空気の圧力)の単位には、従来「kgf ⁄ cm²」を使用してきましたが、現在は国際単位系であるPa(パスカル)で表すことが一般的です。
1Pa= 1平方メートル(m²)の面積あたりに1ニュートン(N)(約102gの物体を支えるのに必要な力) の力が作用したときの圧力です。
エアコンプレッサーでよく使用される1MPaは、1MPa= 100万Paなので1m²に約100トンの力がかかっている状態となります。イメージでいうとアフリカゾウ17頭分です。
このようにエアコンプレッサーでは本当に大きな圧力が使用されていることがわかると思います。
減圧弁取出圧力計への表示
減圧弁から取り出す圧力の数値は、減圧弁取出圧力計に表示されます。圧力は、絶対圧とゲージ圧の2種類の考え方があります。
絶対圧は、完全な真空(0)を基準として圧力を表します。ゲージ圧は大気圧(0.1013MPa:1.033 kgf ⁄ cm²)を0として圧力を表します。地球の回りは大気(空気)に覆われています。
大気も物質ですから、質量を持ち地球の引力に引かれています。地表では(0.1013MPa:1.033kgf ⁄ cm²)の圧力を持っていることになります。この圧力が大気圧と呼ばれています。
一般的なのはゲージ圧力で、マックスのエアコンプレッサーもゲージ圧力での表記となっております。
空気の取出口
空気の取り出し圧力は、減圧弁調整ハンドルで調整します。
減圧弁とは・・・エアタンク内の圧力を使用したい圧力に調整します。エアタンクなどの空気圧源から送られる圧縮エアの圧力(一次圧力)を減圧し、 二次側圧力(減圧弁等により所定の圧力値に設定された後の圧力)を所定の設定値に調整すると同時に、 一次側圧力(エアタンク内の減圧されていない圧力)が変化したり、二次側の空気流量の変動時にもその設定圧力値の変動を最低限に抑え、安定した空気圧力を供給する役割があります。
減圧弁調整ハンドル | 説明 |
---|---|
高圧側減圧弁調整ハンドル(H) (オレンジキャップ) |
高圧0.1~2.45Mpa(約1~25Kgf ⁄ cm²)の圧力を取り出せます。釘打機の使用空気圧の中で、調整可能です。 →エア取出口に高圧用ホースを繋ぎ、スーパーネイラ(高圧用釘打機)に接続できます。 |
常圧側減圧弁調整ハンドル(L) (イエローキャップ) |
常圧0.1~0.83Mpa(約1~8.5Kgf ⁄ cm²)圧力を取り出せます。釘打機の使用空気圧の中で、調整可能です。 →エア取出口に常圧用ホースを繋ぎ、釘打機に接続できます。 |
例、減圧弁調整ハンドル(H)(オレンジキャップ)
高圧と常圧の違いについては、以下をご覧ください。
高圧エアコンプレッサーと常圧専用エアコンプレッサーの違い
エアコンプレッサーは接続する釘打機によって以下の3種類に分かれます。
種類 | 説明 |
---|---|
高圧専用エアコンプレッサー | 高圧の空気圧で釘・ステープル・ピンネイル・フィニッシュネイルを打つスーパーネイラ(高圧釘打機)の動力源としてご使用いただけます。 |
高圧常圧兼用エアコンプレッサー | 常圧または高圧の空気圧で、釘・ステープル・ピンネイル・フィニッシュネイルを打つ釘打機・スーパーネイラ(高圧釘打機)の動力源としてご使用いただけます。 |
常圧専用エアコンプレッサー | 常圧の空気圧で釘・ステープル・ピンネイル・フィニッシュネイルを打つ釘打機の動力源としてご使用いただけます。 |
圧力制御範囲
マックスのエアコンプレッサーでは運転モードにより、圧力制御範囲が異なります。
圧力制御範囲とは、エアコンプレッサーを運転している際、圧縮運転を中断・再開させる圧力範囲のことです。
OFF圧・ON圧でその範囲を示します。
名称 | 説明 |
---|---|
OFF圧 | 圧力を感知するセンサーで、エアコンプレッサーのタンク内空気が満タンになったら、モーターがOFFになる(空気圧縮運転を終了する)圧力のことをOFF圧と言います。 |
ON圧 (再起動圧力) |
釘打機を使用すると、タンク内圧が下がります。エアコンプレッサーのタンク内圧が、一定の圧力まで下降した時に、空気圧縮運転を開始する圧力のことをON圧(再起動圧力)と言います。 |
ON圧がなければ、圧縮空気を使い切る度に、エアコンプレッサーの圧縮空気を作るボタンを押しにいかなくてはいけません。 ON圧(再起動圧力)があることで、一定量空気を使用するとエアコンプレッサーが自動で圧縮空気を作る為、絶えず空気が供給されより多くの釘打ち作業ができます。
例、AK-HL1270E2の場合
運転モード | ON圧・OFF圧 | 説明 |
---|---|---|
静音モード (内装) |
ON圧 約2.5MPa OFF圧 約3.0MPa |
特に運転音を気にする早朝・夜間・休日やリフォーム作業におすすめします。 |
AIモード (下地・内装) |
ON圧 約2.5MPa~約3.9MPa OFF圧 約2.9MPa~約4.4MPa |
エアを必要としない時には内圧を下げ、必要な時にはタンク内圧を上げます。 作業に応じて再起動圧(ON圧)と停止圧(OFF圧)を自動で変動させます。 運転時間や消費電力を削減し、エアコンプレッサーに負担をかけない高耐久につながるモードです |
パワーモード (根太レス・金物) |
ON圧 約3.9MPa OFF圧 約4.4MPa |
最初から大量にエアを使いたい作業におすすめします。 |
(3)エアコンプレッサーの性能表記について
吐出量(としゅつりょう) (エア充填速度)
エアコンプレッサーが1分間あたりに作り出すことができる圧縮空気の量のことです。吐出量が多くなるほど、タンクへ空気をためる時間が短くなります。 連続して使用したい場合には、吐出量が多い機種をおすすめします。使用したいエアツールの空気消費量より吐出量が多いエアコンプレッサーを選択してください。 シリンダーの容量、モーターの回転数等で決まり、一般的に低い圧力帯では吐出量は大きくなります。
・理論吐出量(AD:エアディスプレスメント)
エアコンプレッサーのピストンの1行程間のシリンダーの容積とモーターの回転数から空気を作り出す量を計算で導き出した理論値です。マックスでは2.5MPa時の吐出量を基準にしています。
・実吐出量(FAD:フリーエアデリバリ)
実際の吐出量を機械によって測定した値(圧縮機の試験規格 ISO1217(JIS B8341)による測定値)です。 タンク内圧が高まるほど圧縮効率が悪くなり、実吐出量も減少していきます。それにより理論吐出量と数値が離れていきます。 マックスでは2.5MPa時の吐出量を基準にしています。
吐出量(吐き出し空気量)の単位
一般的にはℓ ⁄ min(リットル毎分)や、m³ ⁄ min(リューベ毎分)で表します。
(4)モーターの出力からエアコンプレッサーを選択する
モーター
エアコンプレッサーはモーターの力で空気を圧縮します(エアコンプレッサーの仕組み参照)。
それでは、モーターの力が強ければ強い程よいのでしょうか?出力の大きなモーターはより多くの電力を消費し、他の工具と併用できなくなります。
出力の大きなモーターを生かすためには、より大きな圧縮機が必要で、そうするとエアコンプレッサーは大きく、重くなってしまいます。
ですから、単に出力を上げるのではなく、モーターの力をいかに効率良く圧縮機に伝える事ができるかが重要です。
シリンダー・ピストンの大きさ、モーターの回転数を最適にマッチングさせる事で効率よくエアを作り出す仕組みが出来上がります。
モーターの出力単位
モーターの最高出力の単位には、従来「馬力」を使用してきました。
馬力とは、仕事率の単位で「ある重さの物体を、どれだけの時間で、どれだけの距離を動かしたか」を表します。
現在は国際単位系であるkW(キロワット)で表すことが一般的です。日本では暫定的に今まで使用されてきたPSの使用も認められています(1PS = 1馬力 = 0.7355kW)。
ちなみに1馬力は、75kgの物体を1秒間に1m動かす(持ち上げる)力のことを言います。
1馬力=馬1頭とイメージされがちですが、あくまで馬1頭が荷物をひく能力を1馬力と定めたことが由来な為、実際の馬1頭の馬力は数馬力以上になります。
マックスのエアコンプレッサーは0.8kWから1.2kWまで、幅広いラインアップがあります。
馬力の単位
単位記号 | 定義 | 主な言語圏 | kWに換算すると |
---|---|---|---|
HP | ヤード・ポンド法に基づく馬力 英馬力とも言う |
英語 | 1HP = 0.7457kW |
PS | メートル法に基づく馬力 仏馬力とも言う |
日本語・ドイツ語 | 1PS = 0.7355kW |
CV | メートル法に基づく馬力 | イタリア語・スペイン語 | 1CV = 0.7355kW |
kW | 仕事率の国際単位 | 英語 | ― |
モーターの種類
現在、エアコンプレッサーで使用されているモーターは、大きく4つに分類されます。
マックスは、AK-1050Eシリーズ以降はDCブラシレスモーターを使用しています。
マックスのエアコンプレッサーは0.8kWから1.2kWまで、幅広いラインアップがあります。
モーターの種類 | 説明 |
---|---|
DCブラシレスモーター | 搭載機種:AK-1050Eシリーズ以降、最新機種AK-1270シリーズも。 インバータ回路を用いないと駆動できません。50 ⁄ 60Hz兼用可能。 ロータ(回転体)に永久磁石を使用しています。 |
SyRモーター (シンクロナスリラクタンスモーター) |
インバータ回路を用いないと駆動できません。50 ⁄ 60Hz兼用可能。 ロータ(回転体)に永久磁石を使用していません。 |
インダクションモーター | 商用電源にて直接駆動ができます。 ※50 ⁄ 60Hz兼用はできません。60Hz→50Hzはできますが、性能がダウンします。 |
整流子モーター | 商用電源にて直接駆動ができます。50 ⁄ 60Hz兼用可能。 |
インバータ回路
インバータとは、直訳すると直流電源を交流電源に変換すること(またはその回路のこと)です。 しかし、コンセントからとれる商用電源は交流であるため、マックスのインバータ回路では、交流を一度直流に変換した後再度交流に変換しています。 なぜそのような回りくどいことをしているかというと、商用の交流電源は50 ⁄ 60Hzと固定である為、周波数が変えにくく、回転数を容易にコントロールできません。 そこでインバータ回路を使用して、交流を整流し直流電源に変換したのち、周波数が可変できる交流電源に変換することで回転数をコントロールできるようになります。 これにより、エアコンプレッサーにおけるハイパワーモード(高速回転)、静音モード(低速回転)が可能になり、使用するシーンに応じて使い分けができます。
DCブラシレスモーター
ロータ(回転体)に永久磁石を用いることで、小型・軽量化を行い、ステータ(固定子)との反発力でロータを回転させる原理です。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
(5)その他の選定ポイント 静音性
AK-1270Eシリーズでは、通常運転で『62dB』を達成しています。
※dB(デシベル)・・・
物理的に決められ、騒音の強さを表します。数値が大きくなるほどうるさく感じます。
40dBはささやき声や図書館内、60dBは普通の声やデパート店内、70dBは大きな声やセミの鳴き声をイメージされるとわかりやすいと思います。
AK-1270シリーズでは以下の工夫をすることで、ハイパワーなのに静かなエアコンプレッサーを実現しています。
6.エアコンプレッサーの使用上
注意すること
(1)エア圧縮による熱の発生
例えば、下図のようなポンプを例にすると・・・
ポンプ内には空気中の各分子がたくさん存在します。ポンプを押し下げると内部の空間が縮まり、分子はポンプ内の壁やピストンに衝突する回数が増え、壁は反動で受ける力が増加します。
この時、壁にぶつかった分子はぶつかる前より大きな速度で跳ね返ります。圧縮されるにつれて分子のスピードが速くなり、壁が受ける力が増加します。
そして分子のスピードが速ければ速いほど、エネルギーが大きくなり圧力が高くなり、結果として熱が発生します。
(2)エア圧縮による水(ドレン)の発生
エアコンプレッサーは使用していくとタンク内に水がたまっていきます。この水を放っておくと、釘打機内部に水が流れ込み、釘打機の故障の原因になります。
また、水がたまるとその分だけタンク容量が減少します。では、なぜ水がたまるかご存知でしょうか?
空気中には湿気(水蒸気)が含まれています。エアコンプレッサーは空気を吸入して数倍まで圧縮する為、圧縮した空気の中には多量の水分が含まれています。
空気中に含むことができる水蒸気の量には限界があり、より高温では多量の水蒸気を含むことができますが、低温になるほど少ない水蒸気しか含むことができません。
圧縮される際の体積変化による飽和と、配管途中の温度低下による飽和で、水蒸気は水となりエアコンプレッサーのタンクに溜まります。
溜まった水(ドレン)は、タンクの容積を減少させるばかりでなく、タンクの腐食、またホースへ水(ドレン)が流入し、釘打機に入ることもあります。
釘打機をご使用いただく環境(気温・湿度)によっては、釘打機の排気口周辺に水が付着したり、凍り付きが発生することもあります。
作業終了後、エアコンプレッサーのドレンバルブを開放するのは、以上のトラブルを防止する為に行います。
また、環境や使用頻度により発生率は変わりますが、釘打機内へ水(ドレン)が流入するのを軽減するには、以下の対応を行ってください。
- ①エアコンプレッサーをなるべく涼しいところへ設置する
- ②補助タンクをエアコンプレッサーと釘打機の間に使用する
- ③釘打機とエアコンプレッサー(または補助タンク)の間にエアセット(エアフィルター設置)を使用する
7.エアタンク
シリンダーで圧縮されたエアは一旦エアタンクへと送られ、エアを蓄積していきます。それでは、なぜエアコンプレッサーにタンクが付いているのでしょうか? エアタンクは以下のような役割があります。
(1)エアタンクの役割
- ①タンク内に強制的にエアを送り込むことで、タンク内エア圧を上昇させる容器となります
- ②エアコンプレッサーの運転制御(圧力スイッチ)を行うためのエア保存容器となりまする
- ③エアの脈動を緩和させることで、安定した圧力を供給します。
また、マックスのエアコンプレッサーのエアタンクは2個にそれぞれ独立しているように見えますが、機械内部ではタンク同士がパイプでつながっています。 エアタンクを1本にしてしまうと、サイズが大きくなってしまう為、2本にわけることで全体の大きさを小さくしています。またエアタンクの耐圧性を考え形状を円筒にしています。
(2)タンク容量の増量によるメリットとデメリット
タンクの容量が大きくなるほど、溜まる圧縮空気量も増えますが、以下のようなメリットとデメリットがありますので、使用用途にあったタンクをお選びください。
メリット | デメリット |
---|---|
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(2)タンク容量について
当たり前ですが、エアコンプレッサーのタンクを大きくすればする程、より多くの空気を溜める事が可能になります。
タンク内最高圧は、タンクの中に何MPaに圧縮したエアを溜めておくかということで、高い圧力でエアを溜めれば溜める程、作業量を増やす事ができます。 ただし、現在日本では高圧ガス保安法という法律により、エアコンプレッサーは5MPaを超えて圧縮したエアをタンクに溜めるには申請が必要です。
8.マックスのエアコンプレッサーシリーズ
※標準充填時間は、補助タンク未接続時です。
AK-1310Eシリーズ
一番の売れ筋
標準充填時間 約6~7分
AK-1270E3シリーズ
一番の売れ筋
標準充填時間 約6~7分
AK-1270E3(27L)シリーズ
大容量タイプ
標準充填時間 約16~18分
AK-L1270E2P
塗装対応タイプ
標準充填時間 約6~7分
AK-1110E2シリーズ
ハンディ
標準充填時間 約5~6分
AK-HL1110EA
ハンディ×エコノミー
標準充填時間 約5~6分
AK-9700Eシリーズ
エコノミー
標準充填時間 約5~6分
AK-820
DIY向け
標準充填時間 約1分